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 『ロシアの世紀末 ─ <銀の時代>への旅』(新曜社)が出ました。私の仕事の一つの節目となる本です。いろいろな意味で、この本は私にとって特別な物となりました。私は早稲田大学露文科で学び、ロシア文化は私の原点であると思っています。
 <世紀末>全体について調べてきましたが、ロシア文化については、十九世紀をあつかった『ペテルブルク浮上 ─ ロシアの都市と文学』(新曜社 一九八八)、二十世紀初頭をあつかった『ロシア・アヴァンギャルドのデザイン ─ アートは世界を変えうるか』(新曜社 二〇〇〇)をだしました。
 そしてこの二つの時代をつなぐ<ロシアの世紀末>をいつか書きたいと思いつづけて来ましたが、なかなか実現しませんでした。ようやくここにまとめることができました。奇しくもロシア革命(一九一七年)から百年の年に出せたことは、なにか縁があったのかもしれません。
 <ロシアの世紀末>は<銀の時代>と呼ばれています。ロシア革命によって吹き散らされ、失われた時代となりましたが、文学・美術・音楽・演劇が交流した実に魅力的な時代だったと思います。<ロシア・アヴァンギャルド>は爆発的に復活し、再評価されましたが、<ロシアの世紀末>は知られてはいません。しかしようやくヨーロッパで研究が進み、ロシアでも本がまとめられるようになりました。
 ヨーロッパの、そして日本の世紀末を調べてきた私は、ロシアにも<世紀末>があったことを明らかにしたいと思い、この本を書きました。

 この失われた時代が、百年の眠りから目覚めて、現代に甦ってくると信じてこの本を書きました。私が愛する<銀の時代>が新しい世代に伝わってほしいと願っています。

文庫のお知らせ

 『秘密結社の世界史』が朝日文庫になりました。平凡社新書として書いたものですが、早いもので、それから十年が過ぎ、文庫化の話が来ました。この十年に世界は大きく変わり、混乱をきわめています。トランプ大統領が登場し、その他の国の指導者も目まぐるしく変わり、ミサイルが飛び、大戦直前のような危機的状況です。陰謀とか秘密結社といったものが、ますます現実的に感じられるようになってきました。

 そのような状況を踏まえて、文庫ではこの十年の流れを新しく書き加えました。今こそ、この本が読まれるべきではないか、という編集者のことばにはげまされて、この文庫をつくりました。

近況とトーク・イベントのお知らせ

 京都の友人武田好文さんが、京都の河原町にブック・カフェを開き、文化サロンにしていくことになりました。そしてそのオープニングに招かれて、京都で話をすることになりました。六月二十二日(木)に京都のFM放送の武田さんの番組に出て、ブック・カフェの告知をして、二十三日(金)、二十四日(土)の二日間、ブック・カフェで話をします。
 三日間も体力がもつか心配ですが、ちょうど『ロシアの世紀末』が出て、私の仕事の一つのまとめが片づいたところなので、思い切って引き受けることにしました。武田さんからは、気楽にふらりと来て下さいといわれています。京都の茶話をのんびり楽しんでこようかと思っています。

★トークイベント

場所:古書かふゑ 弱法師(よろぼし)
   〒604-8005 京都府京都市中京区恵比須町534-38 (河原町三条上ル二筋目 姉小路通東入ル) 花政 北店2階
日時:6月23日(金)
   Ⅰ:午後2:00~4:30
   Ⅱ:午後6:00~8:30
6月24日(土)
   Ⅰ:午後2:00~4:30
   Ⅱ:午後6:00~8:30
秘密結社の世界史~フリーメーソンからトランプまで、その謎と陰謀~

秘密結社の世界史
~フリーメーソンからトランプまで、その謎と陰謀~

ロシア・アヴァンギャルドのデザイン

ロシアの世紀末――〈銀の時代〉への旅

オリエンタル・ファンタジー:アラビアン・ナイトのおとぎ話ときらめく装飾の世界

ヨーロッパの幻想美術
─世紀末デカダンスとファム・ファタルたち

オリエンタル・ファンタジー:アラビアン・ナイトのおとぎ話ときらめく装飾の世界

オリエンタル・ファンタジー:
アラビアン・ナイトのおとぎ話ときらめく装飾の世界

アルフォンス・ミュシャの世界――2つのおとぎの国への旅

アルフォンス・ミュシャの世界
――2つのおとぎの国への旅

北欧の挿絵とおとぎ話の世界

世界の美しい本

北欧の挿絵とおとぎ話の世界

マティスの切り絵と挿絵の世界

北欧の挿絵とおとぎ話の世界

北欧の挿絵とおとぎ話の世界

ロシア・アヴァンギャルドのデザイン

ロシア・アヴァンギャルドのデザイン
未来を夢見るアート

チェコの挿絵とおとぎ話の世界

チェコの挿絵とおとぎ話の世界

世界の雪景色

世界の雪景色

世界陰謀全史

世界陰謀全史


ハリー・クラーク

ハリー・クラーク


魔女の世界史──女神信仰からアニメまで

魔女の世界史 ── 女神信仰からアニメまで

1914年: 100年前から今を考える

1914年: 100年前から今を考える





世紀末の光と闇の魔術師 オーブリー・ビアズリー

世紀末の光と闇の魔術師 オーブリー・ビアズリー

 

ヨーロッパの装飾と文様

ヨーロッパの装飾と文様

 

神話・伝説とおとぎ話-ヨーロッパの図像

神話・伝説とおとぎ話-ヨーロッパの図像

 

万国博覧会の二十世紀

万国博覧会の二十世紀

 

ウィリアム・モリス - クラシカルで美しいパターンとデザイン

ウィリアム・モリス
- クラシカルで美しいパターンとデザイン

 

あいさつ

 海野弘ワールドにようこそ。長いこと、さまざまなテーマを書いてきました。自分がどこを歩いているのかわからなくなる時があるほどです。
 一つの区切りとして、自分の世界を整理し、その見取り図をつくってみることにしました。そこでは、情報の三つの柱を伝えたいと思います。
 一つはこれまでやってきた仕事をたどることです。単行本にまとめられたものを中心に、まだ本に入っていないものについても拾ってみたいと思います。

あいさつタイトル

 二つ目は今やっている仕事についてです。新聞や雑誌の連載など書く仕事だけでなく、講演やインタビュー、座談会、そして取材の旅といった仕事についても触れるつもりです。
 三つ目はこれからどこに向かうかについてです。決まっているだけではなく、長いこと考えてきて、なかなか実現しない企画や、最近ふと思いついたテーマなど、私の夢についても語りたいと思います。
 私の旅してきた世界は私だけのものではなく、多くの先人から贈られたものです。私もまたそれを次の世代に送っていきたいと願っています。そのためにこの小さな窓が役立てばうれしいのですが。

署名

お知らせ

2011年7月29日

 以前に河出書房新社から出した『江戸ふしぎ草子』のシリーズ(全六巻)が今度、平凡社ライブラリーに入ることになりました。秋には第一冊が出る予定です。
 このシリーズは朗読会やラジオでの朗読などで読ませてほしいという依頼をよく受けます。私としても愛着のある作品なので、新しい形で出ることになり、楽しみにしています。

2010年9月16日

『名門大学スキャンダル史:あぶない教授たちの素顔』(平凡社新書)が刊行されました。

近況

この夏は、カイ・ニールセンという挿絵画家について書いていました。アーサー・ラッカムやエドモンド・デュラックと並んで、二十世紀初頭の挿絵の黄金時代をつくったイラストレーターの一人です。ひさしく忘れられていましたが、このところ再発見、再評価されています。その名品集をマール社から出すことになり、解説を書きました。『世紀末のイラストレーターたち』以来の、ひさびさのイラストレーター論なので、とてもうれしい仕事でした。
『ファンタジー文学入門』(ポプラ社)を書いた時、また、ファンタジーのイラストレーションのことを書きたいと思っていたところでした。ニールセンの絵本もかなり集まってきたので、どこかのギャラリーで絵本展をやりたいな、と夢をふくらませています。
東京新聞(2010年9月6日号)に、「古賀春江展」(神奈川県立近代美術館 葉山)について書きました。古賀も一種のファンタジー画家といえるでしょう。
今、書いているのは『おじさん、おばさん論』(幻戯書房)です。ニュートンからジャック・タチの『ぼくの伯父さん』まで、百人以上のおじさん・おばさんが登場します。

2010年8月31日

語りの会 ぼてふり 第六回公演にて、海野弘 作『江戸妖かし草子』より「女目医者」が上演されます。
日時:2010年9月10日(金)
    昼の部:14:30開演
    夜の部:16:30開演
場所:深川江戸資料館・小劇場
入場料:\2,000
問い合わせ:語りの会 ぼてふり事務局 神橋武典
    03-3337-9307
    090-1556-2009
    botefuri@nifty.com

2010年4月21日

『秘密結社の時代 鞍馬天狗で読み解く百年』(河出ブックス)が刊行されました。
巻末に時代をたどるのに便利な年表を入れ、挿絵などもちりばめた楽しい本になっています。

『花に生きる-小原豊雲伝』(平凡社)も5月刊行の予定です。
久生十蘭、大佛次郎、そして小原豊雲と、近代史の人物評伝がつづきました。
よろしくお願いします。

2010年3月12日

以下、書影を追加しました。 『スキャンダルの世界史』
『イリュージョン デザイン:知覚 想像力 空間』
『ジャズ・スタンダード100:名曲で読むアメリカ』
『シャンハイモダン:上海摩登』
『モダン都市文学Ⅰ:モダン東京案内』
『モダン都市文学Ⅵ:機械のメトロポリス』
『音楽の万華鏡②:一九二〇年代の音楽』
『海野弘の街あるき館さがし』
『久生十蘭 『魔都』『十字街』解読』
『現代美術:アール・ヌーヴォーからポストモダンまで』
『崇拝からレイプへ:映画の女性史』
『伝説の風景を旅して』
『秘密結社の日本史』 よろしくお願いします。

2010年2月22日

Websiteをオープンしました。
よろしくお願いします。
雑誌掲載

「旅サライ」(小学館) 2010年2月26日発売

「必ず訪ねたい個人美術館」に書いています。

『小原流挿花』

「日本史の旅人」を連載中。
新刊

ロシアの挿絵とおとぎ話の世界

パイインターナショナル 2012年12月21日刊行

流線の挿絵画家 ジェシー・キング

マール社 2012年10月29日刊行

おとぎ話の古書案内

パイインターナショナル 2012年10月19日刊行

プルーストの浜辺
-「失われた時を求めて」再読

柏書房 2012年7月刊行

二十世紀美術 一九〇〇~二〇一〇

新曜社 2012年7月刊行

スキャンダルの世界史

文藝春秋 2012年5月10日刊行

野の花の本 ボタニカル・アートと花のおとぎ話

パイインターナショナル 2012年4月30日刊行

夢見る挿絵の黄金時代
-フランスのファッション・イラスト

パイインターナショナル 2012年4月30日刊行
新聞掲載

東京新聞(2010年9月6日号)

「古賀春江展」(神奈川県立近代美術館 葉山)についての記事が掲載されました。

朝日新聞 2010年1月24日朝刊

『スキャンダルの世界史』の書評が掲載されました。

日本経済新聞 2010年1月17日朝刊

『スキャンダルの世界史』の書評が掲載されました

日本経済新聞 夕刊

「プロムナード」に、2009年7月~12月まで毎週木曜日にエッセイを連載。
講演

2013年4月13日(土)午後2時

東京六本木の新美術館で、「カリフォルニア文化とデザイン」について話します。→詳しくはこちら

2013年3月16日(土)午後2時

北海道立近代美術館で「魅惑の世紀末 アール・ヌーヴォーの世界」を話します。→詳しくはこちら

2010年1月末

石川県立九谷焼研修所でモダン・デザイン史の講義を予定しています。
構想メモ

構想がまとまってはいないが、書く約束はしているもの~

『志賀直哉と奈良芸術村』
 志賀直哉は1925~1938年まで奈良の高畑に住み、そのまわりに作家や画家が集まり、芸術サロンができていた。そこで奈良<天平>芸術が発見されてゆく。そのアーティスト・コロニー(芸術家村)の物語を書いてみたい。
『斜めに橋を架ける-おじさん、おばさん論』
 日経新聞の「プロムナード」に書いたのだが、文化や知識は、親から子へという直線によって継がれるだけでなく、おじさんやおばさんという斜線によって伝がれることが重要ではないかと思う。おじやおばによる文化の伝達によって、異文化が注入され、豊かになるのだ。文化がそれぞれ孤立している現代において、おじさん・おばさんの役割を再評価したい。

まだ漠然としたアイデアだけで、いつか書いてみたいと思っている企画。
止めどなくあるうちの、いくつか~

『ニューヨーク1950年代』
 1920年代のパリに代わって、戦後のニューヨークは世界の先端となった。ビート文学、抽象表現主義のアート、モダン・ジャズの三本の柱によって、ニューヨークを書きたい。
『プルーストの浜辺』
 『プルーストの部屋』とペアになる本として、プルーストと1900年のノルマンディーの浜辺について書きたい。

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